2015年07月23日

【まんが日本昔ばなし】カエルのおじさま「蛙と姉妹」

どうも、SABUROH(@SABUROH496)です。


『まんが日本昔ばなし』の感想や想い出・思ったことなどを、思ったまま取り留めもなく、つらつら書いてゆくシリーズ第3回。

今回は、『蛙と姉妹』です。





『蛙と姉妹』

◯放送日:1981年04月04日(昭和56年04月04日)
◯演出:河内日出夫 文芸:沖島勲 美術:古宇田由紀子 作画:河内日出夫
◯ナレーション:常田富士男
◯DVD情報:DVD-BOX第11集(DVD第51巻)

◯あらすじ
昔、あるところに幼い姉妹がいました。姉は美しいが意地悪で、妹は気立てが優しくみんなから愛される子でした。姉妹は毬をついて遊ぶのが大好きでしたが、いつも姉が毬を一人占めし、妹は毬を貸してもらえませんでした。

ある日の事、姉は母親と町に出かける事になりました。姉のいない間に、こっそりと毬で遊んでいた妹は、うっかり毬を池に落としてしまいました。困った妹の前にイボガエルが現れ、「わしの願いを2つ聞いてくれるなら拾ってきてあげよう」と言うので、妹は仕方なくカエルと約束しました。

そのカエルの一つ目の願いとは、カエルと一緒に食事をする事でした。見た目が気持ち悪いカエルとご飯を食べるのは嫌でしたが、妹は頑張りました。二つ目の願いは、カエルと一緒に布団で寝る事でした。泣いて嫌がった妹でしたが、我慢してカエルと一緒に寝ました。
翌朝、目を覚ました妹は、「約束を守ったご褒美に」とカエルから金の毬をもらいました。

町から帰って来た姉は、自分も金の毬が欲しくなり、わざと池の中に自分の毬を投げ入れました。しかし、カエルの一つ目の約束である一緒に食事をする事がどうしてもできず、お茶碗を放り出して逃げだしてしまいました。

姉は、追いかけてきたカエルに向かって、力いっぱい毬を投げつけました。するとカエルはどんどん巨大化して姉に迫ってきます。姉を追い詰めたカエルは、「約束を破る奴は人間の資格はない、今日からわしの娘となれ」と言い、姉の姿をカエルにしてしまいました。それからというもの、池のカエルは「カエロ、カエロ」と泣いているそうです。

【引用】
まんが日本昔ばなし〜データベース〜
蛙と姉妹




◆ 教訓話


これは多分、アニメをリアルタイムで視た記憶が、おぼろげにあります。


しきたりや作法を語ってくれる、教訓話ですね。

得られる教訓として、分かりやすいところだと

・ 約束する相手は、よく見てする
・ 約束の内容は、事前にしっかり確認する
・ むやみな、できない約束はしない
・ 一度した約束は、責任をもって果たす

…と、こんなところでしょうか。


「イボガエルなんて平気だもーん」という子には、その部分を、その子の苦手な虫や生き物に変換して語れば、「嘘をつく子」「約束した言いつけを守れない子」には効果てきめんです。

物語仕立てで、学んでほしいことを印象づけ、感情から子どもたちを諭してくれる、よくできた寓話の一つです。


でも、このアニメで一番力が入ってるの、そこじゃないですよね?



◆ 言い逃れ、できまへんで―!


このお話の演出・作画は、河内日出夫さんです。


河内さんといえば、とても丁寧な絵を描き、担当する作品は、どのキャラクターも愛らしく可愛らしいことで、アニメ好きには定評のある方です。

一般には、NHKの長寿アニメ『忍たま乱太郎』の監督といえば、通じるでしょうか。


私は『魔法の天使 クリィミーマミ』で、お名前を覚えたので、その印象が強いです。

『クリィミーマミ』が1983年ですから、時系列的には、その2年前ですね。


絵柄的には、ちょうどその時期にスタートした『じゃりン子チエ』に近い感じかな。

『じゃりン子チエ』のアニメ映画〜TVアニメが、1981年。

Wikiでサッと見た、『チエ』の主要スタッフリストに河内さんの名前は見当たりませんけど、高畑・宮ア作品への参加も多い優秀な方なので、手伝ったりしていたかもしれません。


で、何が言いたいかというと、女の子がすごく可愛らしいんです。

そして、その女の子が、気味の悪いイボガエルに約束を守るよう迫られ、怖がったり怯えたり逃げ惑ったり、苦悶の表情で必死で耐えたり…の描写が渾身すぎるんです。

入念に力の入ったリョナ描写!?(当時、そんな言葉はない)

市原悦子さんの熱演する少女の悲鳴もあいまって。

あかん、これは“よいこ”が目覚めてしまうっ!


コ ミ ッ ク L O』で や れ



あ、私はロリコンではないのですが、とある経緯で『LO編集部』に漫画を持ち込んだことがありまして。

コミックハウスの担当編集者が、そのとき対応してくれた「Sちゃん」さんです。閑話休題。


暗喩どころか直球過ぎて、これには『千と千尋の神隠し』さんも失笑だよう。


【参考記事】
映画評論家町山智浩アメリカ日記
「千と千尋」はなぜ「湯女」なのか


この話を、河内日出夫担当とか、思いっきり狙ってやってるじゃないですか?クロやないですか!言い逃れ、できまへんでー!



◆ かえるの王子


ピンときた方もいらっしゃると思いますが、このお話には、グリム童話「かえるの王子(王様)」からの流れも入ってると考えられます。

日本風に書き換えられた『グリム童話』の翻案は、明治期に日本で広がり、その後口承化して、日本の昔話のようになって伝えられた事例がありますから。


【Wikipedia】
グリム童話


その土地に元々あった古くから伝わる話に、新しく入ったよく似た話のキャッチーな要素が取り入れられて混ざり、融合したパターンの一つだと思います。



◆ 「忘れるため」と「忘れないため」


『寓話』が誕生するパターンの一つに、

・ 哀しい実話
・ 陰惨な実話
・ 忘れたい恐怖
・ いたたまれない話

こういう実際に会った「事件」や「事故」などをキッカケに、直接的な表現を避け、エッセンスを抽出して、語りやすく印象に残るように、擬人化・ストーリー仕立てにして出来上がるというのがあります。


「事実」をファンタジックな表現で包みこみ、最も「毒」のある部分は覆い隠す。

その出来事の悲しみや恐怖を「忘れるため」と、もうそんなことが起こらないよう危険性や注意を「忘れないため」の『寓話化』。


ファンタジックな表現で一切包まず、事実のみを淡々と描写する『吉作落とし』という話もありますが。(個人的に一番の怖い話)


そういう知識がありますから、このお話の起こりにも、悲しく辛い出来事があったんじゃないかと勘ぐってしまいます。

約束をたてに、少女に迫っていくイボガエルなんて、売買春でカラダを求めるオッサンにしか見えません。

・ 一緒に食事をすること
・ 自分を懐に入れ、同衾して寝ること

約束を受け入れた妹が、イボガエルにもらうのが「金色の毬」というのも、まさに!です。


子どもの頃に視た時には、そんなこと思いもしなかったんですけどね。

心がドス汚れてしまいました。



◆ 「やりすぎ」か?「ヌルい」か?


それにしても、『おむすびころりん』といい、『こぶとりじいさん』といい、『雪むかし』といい、『乞食のくれた手ぬぐい』といい…、昔ばなしの「二番煎じ」「二匹目のドジョウ」への厳しさは異常。

聴く人たちに「絶対そうはなりたくない!」と思ってもらわなければいけないのだから、罰(ペナルティ)が重くないといけないという「道理」は分かるのだけど。

「やり過ぎじゃないの?」と思う反面、現代の子どもたちに配慮した、ソフトに改変されたラストを見せられると「ヌルいっ!」と思ってしまったり。

人の心って複雑だなぁ。


 



『まんが日本昔ばなし』の河内日出夫担当回だと「乳の薬師さま」と「夜泣き石」が好きです。

「子ができない」「乳が出ないこと」に悩み、夜中に願掛けのお参りをするという、ほぼ同じ話なのだけど。

どちらの嫁さまも、一途で健気で愛らしく、そこはかとなくえろいのだなぁ。えろいのだなぁ。ひとづまのちくびーっ


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posted by SABUROH at 22:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ビデオ・DVD | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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