2015年01月19日

絵が上達したい人向けのプロのアドバイスまとめに戸惑ってしまう理由

どうも、SABUROH(@SABUROH496)です。


【関連リンク】
NAVER まとめ
どうすれば絵が上手くなる!?漫画家・アニメーター達のコメント集


以前、Twitterで流れてきて見た、上のまとめ記事なんですけど。

プロの先生方のコメントはすごくためになるし、まとめてくれた方にも感謝なんですけど、ちょっと整理が足りなくて混乱してしまう感じになっているので、もったいないなーと思っていて。

その時に、Twitterでも書いたんですけど、誰も見ていなかったし、流れていってしまったので、あらためて自分なりに整理して残しておこうと思います。

自分が迷った時の確認用に。
そして、もし同じように迷う人がいたら、少しでもその人の助けになれば。



◆ なぜ戸惑ってしまうのか

先に結論を書いてしまうと、「階層分け」をしていないのが原因なんですね。

プロの方々のコメントをまとめて、ザックリとより分けたまでは良いのだけれど、そこで終わってしまって、単に箇条書きを並べただけになってしまっているので、混乱してしまうんです。

もう一手間が必要だと感じました。



◆ レベルによってアドバイスが変わる

例えばですけど、少年野球や少年サッカーの監督やコーチになって、彼らを指導すると想像してみてください。

スポーツを始めたばかりの、体力のついていない走れないコには、先ずは、ひたすら走って体力をつけるよう言いますよね?

体力がない、走れない、ボールが蹴れない投げられない、バットが振れない……では、試合やゲーム以前の問題ですから。

体力がついて、走れるようになって、基本のいくつかができるようになって、はじめて、ポジションやゲームの流れ、簡単な連携……等々、段階的に教えていきますよね。

そこからレベルが上がるに連れて、適正やポジション、勝ち方、高度な戦術、精神面まで。

初心者、初級者、中級者、上級者……
そうやって、一つ一つ積み上げていって、学ぼうとする人の習熟レベルによって、その段階ごとに、アドバイスの内容も変わりますよね。

体力もなく、走れず、ロクにパスも回せないコに、戦術のことを言っても仕方がないでしょう?

むしろ、その段階でそんなことを言っても、邪魔になって、かえって混乱するだけです。
そのコのレベルでの課題に集中させた方がいいです。

そこを踏まえていないと、そのコたちをアドバイスで振り回してしまうし、アドバイスされる側なら振り回されることになってしまいます。



◆ おとなはウソつきではないのです

そういうことを頭に置いて、まとめの見出しを、もう一度見てください。


・考えながら描く
・描く対象の構造を理解する
・たくさん描く
・ただ量をこなすだけじゃダメ
・絵が上手い人を見習う
・心の持ちようも大切
・他人の目を意識することで上手くなる
・トレスも役に立つ
・描いていないと絵は下手になる
・手癖で描くのも駄目


なんか、バラバラですよね?
どこがおかしいか、もうなんとなく分かりますよね。

「たくさん書く」の次に「ただ量をこなすだけじゃダメ」という、先に言ったことを否定するような項目がきてしまっています。
正反対の、矛盾するアドバイスに聞こえます。


戸惑うし、混乱します。
覚えがありませんか、こういうこと。

「さっきと言ってることが違う!」
「オトナはいつもそうだ!」
「先生のカバッ!!」

ちがうのです。
うそつきではないのです。

習熟レベルによって変化する、段階の違う項目を同列に並べて書いてしまったために、こうなってしまっています。

あと、具体的な練習法や技術的なものと、それに取り組む際のメンタル的なものが分かれていないのも、混乱に拍車をかけています。

だから、そこをきちんと切り分けて揃えれば、スッキリ分かりやすくなると思います。



◆ 並べ替えてみよう

というわけで、あらためて並べ替えて、もう少し分かりやすく整理してみます。



<初心者>向けアドバイス

・「たくさん描く」

スポーツを始めたばかりです、とにかく体力をつけなければ話になりません。
ひたすらペンを持って、らくがきでも模写でもいいので、ノートや紙を埋めて積み上げてください。
小難しい理屈はいらないです。楽しんで自由に、描き続けてください。
全ての基礎であり基本です。

レベルが低いうちは、簡単にレベルアップが感じられるので。
10枚、30枚、50枚、100枚、300枚…と、やればやっただけステップアップします。


<初級〜中級者>向けアドバイス

・「ただ量をこなすだけじゃダメ」
・「考えながら描く」
個別に項目を掘り下げ、弱点を克服したり、各パラメーターを上げる
 >「描く対象の構造を理解する」
 >「絵が上手い人を見習う」
 >「トレスも役に立つ」
・「他人の目を意識することで上手くなる」

描くクセがついて、体力がついてくる頃。
最初の頃は頻繁に鳴っていたレベルアップ音の間隔も開いてきて、ただ描いているだけではステップアップを感じにくくなった頃。



ただ描いているだけでは満足できなくなってきて、上手く描きたい欲が出てきたあたりが、ひとつの壁かな、と。

スポーツでいえば、体力がついて基本をマスターして、ゲームをこなせるようになった頃。
考え始めるのは、このへんからですね。
その人の適性・方向性、伸ばしたい長所や克服したい短所、そういうものを意識しながら、トライアンドエラーで幅を広げていきます。


<上級者>向けアドバイス

・「心の持ちようも大切」
・「手癖で描くのも駄目」
・「描いていないと絵は下手になる」

慣れやマンネリを打ち消し、初心を忘れず、向上心を持ち続ける。
スポーツもそうですが、上級者レベルになると、メンタル的なものが大きくなるでしょうか。


だいたい、こんな順番になるんじゃないかと。
私の基準で、これまたザックリなので、「そうじゃないよ!お前も分かっていないなっ」と異論がある場合は、ご自分で整理してみてください。



◆ いつか星の海で

自分が、どの段階にあるのか意識すれば、それに適したアドバイスが活きてくると思います。
一人で判断するのは難しいかもしれませんが。

師匠なり先生なりがいて、習熟レベルを把握してもらえていれば、適切な助言を示してもらえるんですけど。
そういう人を見つけるのも重要です。


忘れてはいけないのは、この階層はピラミッドになっているので、上の階層に進んだからといって、下の階層をないがしろにしないこと。
土台がしっかりしていないと、バランスを失って崩れてしまいますから。
一流選手ほど、基本を大事にしますし。上で行き詰まったら、一段下に戻って積み上げ直すようにしたいです。

組体操ピラミッド076377.jpg

<「組体操」poko pocket/イラストAC>


10,000時間の法則」と言われるように、結局は打ち込んだ時間と、描いた、積み上げた枚数がモノを言います。
雲の上のように感じる、めちゃくちゃ上手いあの人は、その高さまでそれを積み上げています。
あなたや私にそういう絵が描けないのは、それを積み上げていないだけです。


そこへ到達できるかはわかりませんけど、人によってそのスピードも違いますけど、積み上げ続けることで、間違いなくそこへ近づくことはできます。
一歩一歩。一枚一枚。積もうヒジの高さまで。壁を築いて。やがては塔を。森田っ…!

そんなわけで、お互いに頑張りましょう。


いつか雲の上で!(天国という意味ではない)

 


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posted by SABUROH at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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